
2024.09.24

日本将棋連盟が創立100周年を迎えた2024年9月8日。千駄ヶ谷に「新将棋会館」が完成し、お披露目式が開催されました。
移転に必要な資金集めのひとつとして、2021年10月より全6回の「新将棋会館建設プロジェクト」クラウドファンディングが実施されていました。
総目標金額6億円に対し、総額9.4億円以上、総支援者数は2万人超え。ひとつの資金使途を掲げ、定期的に複数回のクラウドファンディングを立ち上げて、ここまでの規模の総額を集められたプロジェクトはREADYFORの中でも過去、類をみません。
まさに将棋ファンと将棋界が一体となって完成した、新会館。
伴走支援を続けてきたREADYFORファンドレイジングサービスのメンバーがお披露目式に参加しましたので、その様子をお届けします。

▲完成した東京・新将棋会館(提供:日本将棋連盟)
①日本将棋連盟会長 羽生善治
「皆様おはようございます。本日はお忙しい中、そしてお暑い中、新将棋会館お披露目式にお越しいただきまして誠にありがとうございます。
日本将棋連盟は、本日創立100周年という大きな節目の時を迎えることができました。そして、このタイミングに合わせて将棋会館をこちらの方に移転するという形になりました。
この場所を将棋界の総本山として多くの将棋ファンの皆様に楽しんでいただけるような、そして将棋ファンの方のみならず、多くの人たちが訪れて楽しんでもらえるような場所にしていきたいという風に考えております。
将棋は、現在のルールになってから400年以上も月日が経っている日本の伝統文化だと思っております。この100周年を新たな節目として、良い形で次の世代に残していきたいと考えておりますし、またこれまでご支援・ご声援をいただいた方々にも変わらぬご支持をいただければと思っております。
また、渋谷区千駄ヶ谷も地元の皆様と長きにわたってお付き合いが続いております。今回は近いところでの移転というところで、地元の皆さんとの交流もこれから先も続いていくということになります。
今後も変わらぬご支援とこれまでのご声援に対してお礼を申し上げて、簡単ですけれどもご挨拶と代えさせていただきます。どうもありがとうございました」

▲新将棋会館完成に際して、スピーチをする羽生会長
②創立100周年事業・東西将棋会館建設委員会 委員長 谷川浩司
「1924年、大正13年になりますか、東京将棋連盟としてスタートした時にはもちろんタイトル戦はありませんでした。
昭和10年に世襲制から実力制に移行する形で名人戦が始まり、また戦後まもなく九段戦そして王将戦、3大タイトル戦になり、現在では8大タイトル戦を開催していただく形となりました。
また同じく今年創設50周年を迎えました女流棋士の方も、当初は女流名人戦1つだけでしたが、今では男性棋戦と同じく8大タイトル戦が行われております。
男女合わせて20以上の公式戦を開催していただくまでになりました。
これもひとえに、長年に渡りまして応援をしていただいております将棋ファンの皆様方、主催の方々、ご協賛の方々、そして自治体の皆様方、多くの方々の支えがあって今日があると思っております。改めて厚く御礼を申し上げます。
東京の将棋会館は今日お披露目式ということで、また大阪の方も高槻市の方から誘致をいただき、秋には移転ということになります。
100周年の年に東西の会館を竣工することができ、次の100年を新しい東西の将棋会館で迎えることができますことを、とても感慨を覚えております。
将棋の戦術も大変、平成の時代に情報化・体系化が進みまして、また令和の時代はAIということで将棋界の環境も大きく様変わりしていますが、皆様よくご存知の通り、将棋界には藤井聡太竜王・名人をはじめ、若くて優秀な棋士が大勢いますので、これからの100年も熱い戦いを見せてくれることを期待をしております。
今後ともご声援そしてご支援を、またご注目をいただきますことをお願い申し上げます」

▲谷川浩司新会館建設委員長もご挨拶
永世称号有資格者・タイトルホルダーの棋士が勢揃いでこの時を迎えました。

▲左から、西山朋佳女流三冠、藤井聡太竜王・名人、森内俊之九段、清水市代女流七段、羽生善治会長、谷川浩司十七世名人、佐藤康光九段、渡辺明九段、伊藤匠叡王

▲囲み取材に笑顔で応じる羽生会長
質疑応答を一部抜粋してご紹介します。
ー 日本将棋連盟が創立100周年を迎えた気持ちを聞かせてください。
羽生会長:言葉で言うのは簡単なんですけども100年というのは非常に長い歳月で、本当にたくさんの将棋界を支えてくださっている方が絶え間なくいたからこそ、今日を迎えることができたということで大変嬉しく思っておりますし、このタイミングを一つの大きな契機として、その御恩に報いられるように一生懸命頑張っていかなくてはいけない。
ー 一棋士として会館の機能について良かったと思うことを聞かせてください。
羽生会長:今度の新しい場所はワンフロアで全てまとまっています。対局室の場所も増えましたし、静かな環境で対局に打ち込めるのではないかなと思っています。もちろん以前も良い場所だったと思っていますけれども、より良い対局や将棋界として様々なサービスも充実させていけたらいいなと思っております。
ー クラウドファンディングの試みに対する会長の受け止めを教えてください。
羽生会長:将棋界にとって初めての試みで始める時はどうなるのかというところもあったんですけども、本当にたくさんの皆さまにご支援をいただきました。移転の大切な資金として使わせていただきました。寄付をいただいたことだけでも有難かったんですけども、同時に「将棋界を応援しています」とか「頑張ってください」とか温かいメッセージも本当にたくさんの皆さまにいただいたんですね。そういった方たちにも何らかの形で恩返しできるようなことを出来たらいいなと思っております。
①エントランス部分
・将棋盤の脚をモチーフにしたソファ

・早速銘板がありました。
クラウドファンディングの支援者を中心として約2,300人以上のお名前が掲示されています。

②特別対局室
・特別対局室は18畳から21畳に拡大。畳は熊本県産の最高品質ブランド「ひのさらさ」を採用。

③椅子対局室
・椅子に耐えられるよう畳が特殊な作りに。
・8室あった対局室は、21畳の特別対局室を含めて11室に増え、対局数も今後増えていくそうです。

④防音対局室
・今後スタジオとしても活用されるとのこと。

⑤棋の音(販売コーナー)
・佐藤康光九段のブレンドコーヒーをはじめ、趣向が凝らされたグッズの数々。
・クラウドファンディングのご縁からヒグチユウココラボグッズも販売。



一担当者として、これだけの規模のプロジェクトに携わり、クラウドファンディングのその後まで見届けることができ、感無量です。
また、クラウドファンディング期間で印象的だったことは、ご支援者の方々がクラウドファンディングという将棋連盟を直接応援できる場所が生まれたことへの「感謝」を応援コメントとして残されることが多かったことです。
今まで将棋界をダイレクトに応援できる機会がなかったところに、直接支援ができる場が生まれ、さらには限定の返礼品などを通じて「楽しみながら将棋界を応援する」機運が醸成されました。
そんな将棋界の一つのムーブメントが生まれた背景には、回を重ねるごとに「より良い企画を届けよう」と棋士の方々や事務局の皆様が一丸となり、議論を続けられていたことがあります。
実際に、羽生会長をはじめ多くの棋士がREADYFORページ内「応援コメント」を読んでいたり、SNS上で寄せられる意見を積極的に集め、改善に取り組まれていました。
将棋を次の100年に繋げるために。大きな目的のもと、実行者・支援者が一緒に大きなうねりを生み出したプロジェクトに携わることができ、幸せな経験をさせていただきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。READYFORファンドレイジングサービスでは、引き続き日本将棋連盟さまを応援してまいります。
◾️クラウドファンディングプロジェクトURL
第六期
◾️【速報】日本将棋連盟クラウドファンディング終了。総額9億円以上のご支援
https://fr.readyfor.jp/article/20240702
photo by Ryuji Emura担当 ファンドレイザー
二之方 太喜
リードキュレーター / ファンドレイザー
法政大学 経営学部卒。2019年新卒でREADYFORに入社。ソーシャル領域のクラウドファンディングキュレーターのチームリーダーを務める。その後ソーシャル領域に加え、日本文化・寺社仏閣・音楽など文化領域のファンドレイジング全般の伴走支援に携わる。これまでに260件を超えるプロジェクトを担当し、調達金額は18億円超*。(*2024年7月時点)
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